今回は「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のレビューをお送りします。
本作はオープンワールドということもあり、「ポケモンからしばらく離れていたけど、これを機にまた遊んでみようかな」と迷っている方も多いと思います。
そういった方向けに、ネタバレ控えめで評価点・気になった点を挙げていきます。
参考として筆者のポケモン歴を挙げると、初代GB版からプレイはしていたものの、「ガッツリ遊んでいた」と言えるのはGBA「エメラルド」までです。
それ以降は漫画やアニメを時々観る、ゲームを遊んでもストーリークリアまでという程度でした。
そんな筆者は本作を遊んで、
「あの頃に漫画やアニメから思い描いたポケモンの世界観を、ゲーム内だけでここまで表現できるようになったのか!」
という感動がありました。
個人的評価点(本作以前初出の要素含む)
ポケモンが生き物として描かれている
連れ歩き、ピクニックによるふれあい
本作では先頭のポケモンを一匹連れ歩きできる他、野外で手持ちポケモンを全員出して休ませる「ピクニック」という要素があり、アニメでサトシ達が「みんな出てこい!」と一斉にポケモンを出す様子が再現できます。
ポケモン達は各々眠ったり、ボール遊びをしたり自由に行動しており、話しかけたり洗ってあげたりすることもできます。
詳しく書くことは控えますが、ピクニック等で親しくなったポケモンは、道中のバトルでも主人公の信頼に応えようと奮闘する様子が見られ、ここが個人的にはかなり嬉しいポイントでした。
シンボルエンカウントの採用
自然の中でポケモン達が群れを成していたり、眠っていたり、生活する様子が見られます。
無駄なエンカウントが避けられるだけでなく、ポケモン達の暮らす自然環境を冒険している感覚が強くなりました。
いかにも強そうな最終進化形態がうろうろしていると、危険地帯に来た!という感覚があります。
また、歴代のポケモンがバランスよく選出されており、早いうちから懐かしいポケモンに多く出会うことができました。
魅力的なストーリーとキャラクター
ストーリーや演出がかなり見応えがあり、ストーリー上戦うことになる人物やジムリーダー達も個性が強く魅力的です。
主人公は当然ながら普段は単独行動であり、主要キャラやジムリーダーと会うのはごく限られた時間でありながら、それぞれの人物が強烈な印象を残し、きちんと感情移入できるところがすごいと思いました。
ネタバレを控えるため多くは書きませんが、ストーリーをもう一度プレイするために別バージョンを買おうと思うほどの内容でした。アプデによる後付けでもいいのでリプレイ機能がほしいところ。
改良されたコマンドバトルのUI
バトル時に出来ることは初代から大きくは変わっていませんが、ボール選択が独立でできるようになっていたり、UIがいくつか改善されています。
例えば「わざ」選択時には、Yボタンで威力、命中率含むわざの詳細を見ることができます。
また、捕まえたり戦ったりしてポケモン図鑑に記録されたポケモンを相手にする場合、わざ選択時点でタイプ相性が分かるようになりました。
この辺り、初心者に親切になった印象です。
ポケモン強化の自由度UP
ポケモンセンターに「わざマシン」を作る装置が併設され、気軽に使いやすくなりました。
わざマシンで覚えたものを含め、レベル上げに伴い忘れたわざは、いつでも覚え直しができます。
(進化によって覚えられなくなったわざは覚え直せないのでそこは注意)
また、若干詳しい方向けの話になりますが、初代では隠しパラメーターであった「個体値」「努力値(作中では「基礎ポイント」)」が可視化されました。
一定条件を満たせば、同種族内で個体値がどの位の水準なのか判断する機能も使えるようになり、後から個体値を上げる要素も追加されています。
オープンワールドについての評価
自由度は「ポケモン」スキルによる
本作のアクション要素は薄めで、テクニックが要求される場面はほぼありません。
というのも、主人公は至って普通の子どもであり、主な移動はライドポケモンであるコライドン・ミライドンに任せる形になるからです。
その代わりに自由度を上げる上で必要なのが、効率の良いレベル上げや、アイテム活用です。
「レベルの高すぎる野生ポケモンに捕まる」というシチュエーションが増え、これまであまり使いどころの無かった「ピッピにんぎょう」が日の目を見ることに。
ストーリーを進めるごとに探索の難易度は下がっていきますが、そういったRPGならではの要素を活用することで、一部を除いては自由に立ち入り、探索することができます。
「自由すぎる」プレイはできない
Switchのオープンワールドといえば「ゼルダの伝説ブレスオブワイルド(以降ブレワイ)」を思い浮かべる方も多いと思います。
「ブレワイ」では全ての過程を飛ばしてラスボスに直行することも可能なくらいの自由度が話題になりましたが、本作ではエンディングまでの過程を飛ばすことはできません。
クリア条件となるシナリオがいくつかあり、その攻略順序やタイミングを選べる形です。
個人的にはあまり気にならないポイントでしたが、参考として書いておきます。
グラフィックは個人的には十分
各所で賛否あるグラフィックですが、個人的にはそこまで気になりませんでした。
実写のようなリアルとは決して言えないものの、CMなどの前情報の通りといった感じです。
写真を撮っておきたいと思う風景もありました。
気になった点
新要素に関する作中での説明不足
本作には新しく追加された要素が多く嬉しい反面、こういった新要素に関する説明があっさりしすぎており、よく分からないまま冒険を進めている要素もありました。
重要な要素であるはずなのに、ストーリー上行く必要のない場所やモブキャラの発言などに情報が分散している点も疑問で、そういう情報こそ「たんけんこころえ(メニューから参照できる操作説明)」に全部まとめてくれれば良かったと思いました。
マップUIの使いづらさ
マップの操作に癖があり、慣れるまでに時間がかかります。
あとは気になる場所にピンを付ける、図鑑でマークしたポケモンの生息地を光らせるなどの機能があれば便利なのに、と思うことがありました。
どっちのバージョンが良い?
個人的には、パッケージに描かれている伝説ポケモン(コライドン・ミライドン)の好みで選ぶのがオススメです。
発売日を過ぎた現在、バージョンによる登場ポケモンの違いはネット上で完全に網羅されており、その中にはストーリーの根幹に関わるネタバレも含まれます。
そのため、バージョンによる登場ポケモンの違いはあまり詳しく調べない方がいいと思います。
参考までに、発売前に公開されていた範囲でのバージョン限定ポケモンを挙げておきます。
なお本作には着替え要素もありますが、制服は着替えることができないので、キャラの見た目にこだわりたいなら制服で選ぶのもアリかもしれません。
個人的感想まとめ
個人的には、ストーリークリアした現在も含め、かなり楽しめています。
ポケモンの世界観が生き生きと描かれており、ポケモン好きな方には非常にオススメできます。
強いて言えばポケモンのゲームシステムを全く知らずオープンワールドにも不慣れな方の場合、慣れるのに時間がかかってしまう恐れはあります。
しかし、魅力的なキャラとストーリー、何よりポケモンの暮らす世界が生き生きと描かれているので、ポケモンの世界観が好きならやってみる価値はあると思います。
購入を迷っている方は参考にしていただければ嬉しいです!
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